Q&A / 教育方針を知る

ことば・学びの土台を
どう育てるか

文字の習得や「9歳の壁」、AI時代の読書の意義まで。ことばと思考力の発達について、よくいただくご質問にお答えします。

Q子どもが文字をなかなか書けないのはなぜ?

A文字を書くには手や指の運動を制御する脳の「運動野」の発達が必要で、その発達は早くても5歳頃といわれています。「文字が書けない」ことを嘆く前に、「手先・指先の動きは十分だろうか?」という視点を持つことが大切です。「話しことば」の力を十分につけてから「文字」に移るという順序も重要です。

出典:02号

Q「9歳の壁」とは?聞く力と学力の関係は?

A小学3〜4年生になると、抽象的な内容(分数や文章問題など)を理解する必要が出てきます。これが「9歳の壁」です。耳から入る情報を頭の中でイメージに変換する力が土台となり、絵本の読み聞かせなどの積み重ねが、この壁を越える準備になります。

出典:12号

Qなぜ「手を使う」と、考える力が育つ?

A東大教授の勉強法研究によれば、抽象的な問題を前に「わかったつもり」になっている子どもに「紙に図を描いてみよう」と促すことで、理解が一気に進む例が紹介されています。頭の中だけで考えるのではなく、手を使って具体物に置き換えることが、抽象的思考力の土台になります。

出典:20号

Q授業や声かけの「視点」を工夫すると何が変わる?

A「バスの運転手さんはどこを見て運転していますか?」のように、視点を限定する問いかけをすると、子どもは自分がその立場になったかのように想像力を働かせます。この「視点の移動」は勉強・スポーツ・人間関係など幅広い場面で、相手への共感を育てる力になります。

出典:27号

Q小学生の暴力行為が増えている理由は?

A文部科学省の統計では小学生の暴力行為が増加しています。幼児教育の立場からは、これは「乳児・幼児期のやり直し」ではないかと考えています。遊びやけんかの経験が十分でないと、感情のコントロールを学ぶ機会が不足し、それが小学校で表面化しているという見方です。

出典:62号

QAI時代、読書にはどんな意義がある?

A「朝読書」という取り組みは、本来は評価をせず自由に本を読む時間として効果を上げてきましたが、感想文などの評価が加わると効果が薄れることがわかっています。AI時代だからこそ、耳から入る言葉を頭の中でイメージに変換する「想像力」を育てる読書の意義は、むしろ大きくなると考えています。

出典:104号

Q目標設定の考え方「BE→DO→HAVE」とは?

A「何かを持てば(Have)→行動できて(Do)→なりたい自分になれる(Be)」という順番で考えがちですが、逆に「まずどうありたいか(Be)を定め→そのための行動(Do)が自然に選ばれ→結果(Have)が後からついてくる」という考え方があります。子どもは本来、評価のない世界でこの順番のまま遊び、育っています。

出典:105号
このコーナーについて
夏見台幼稚園・保育園が2015年頃より配信してきたニュースレター(現在100号以上)の中から、 テーマ別に再構成してお届けしています。文中の研究・書籍の引用は、園主・鳥居徹也および 名誉園長・南部愛子が実際の保育の中で参考にしてきたものです。

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