絵本の読み聞かせから積み木、わらべうた、トイレトレーニングまで。子どもの発達段階に合わせた遊びと関わり方について、よくいただくご質問にお答えします。
Q絵本の読み聞かせは、何歳からどう進める?
A絵本は「コミュニケーションのツール」であり、絵本好きの前に「読んでくれるお母さん・お父さんが好き」という土台があります。0歳では絵カード、1歳から読み聞かせを始め、絵本→イラストなしの本→大人が語る「素話」という順序でイメージする力を育てます。途中で遮らず、子どもがファンタジーに没頭できることが大切です。
出典:07号Q絵本以外の「表現遊び」にはどんなものがある?
Aテーブル劇・パネルシアター・エプロンシアター・ペープサートなど、発達段階に応じたさまざまな表現遊びがあります。0歳は絵カード、1歳は1対1の読み聞かせ、2歳は少人数、3〜5歳はクラス単位というように、子どもの年齢に応じて見せ方を変えています。
出典:08号Q何歳から絵の具・粘土遊びを始めるといい?
A絵画表現は2歳の誕生日頃からのクレヨンのなぐり書きや小麦粉粘土に始まり、3歳では色を混ぜない「色専用の筆」、4歳で自分の筆を持ち色を混ぜる経験、5歳で「Myパレット」を持ち自分で色を選べるようになるという、発達段階に応じた段階を踏みます。
出典:09号Qわらべうたはなぜ大切にされている?
Aわらべうたは、絵本と同じく「ぬくもりや信頼を高めるツール」です。リズムを身体で覚え、耳を鍛え、人と人との関わりを重視する集団遊びにもつながります。赤ちゃんの目の動きなど発達の確認にも役立ち、当園では「人間を育てる歌」として大切にしています。
出典:10号Qお勉強がわからない、というときの根っこの力とは?
A「勉強」の本質は目に見えない「論理」を追いかける力です。子どもは「手に触れるもの」→「目に見えるもの」→「目に見えないもの」という順序でイメージする力を発達させ、この順序を飛ばすことはできません。幼児期のおもちゃ遊びは、将来の「9歳の壁」を超えるための土台づくりになっています。
出典:38号Q「からだが語ることば」とは?
A話しことばが出る前の子どもは、からだ全体でメッセージを発しています。演出家・竹内敏晴氏の言葉を借りれば「ことばを教える」以前に、この人と話したい、つながりたいという意欲が土台となります。咳やおねしょなども、からだが語ることばの一種として理解し、丁寧に読み取ることを大切にしています。
出典:45号Q教育上の課題は何?「イメージする力」との関係は?
Aいじめ・受験(落ちこぼれ)・進路(自分探し)という教育の3大問題は、いずれも「想像力の欠如」に行き着くと考えています。相手の心、論理という道筋、将来という時間、いずれも目に見えないものです。この「抽象性」をイメージする力を育むことが、幼児教育のもっとも大切な役割だと考えています。
出典:47号Q子どもが大好きな積み木、選ぶポイントは?
A積み木を「積む」という行為は、算数の「加法」につながる大切な体験です。当園では崩れにくい良質なドイツ製・フランス製の積み木を採用しています。子どもの中に再現したい大きなイメージがあり、それを積み木という具体的なモノで表現する経験が、後の抽象的思考力の土台になります。
出典:49号Q内向的な子どもの個性は遊びの面でどう活きる?
A内向型の子どもは扁桃体が敏感で、物事を深く考え、繊細に感じ取る力があります。「主体性=外向型」という思い込みは誤りで、ひとりで黙々と課題に取り組む粘り強さもまた立派な主体性です。年下の子と遊んで自信をつけ、年上の子から刺激を受ける異年齢保育の環境は、内向的な子どもにも良い経験になります。
出典:56号Q読み聞かせは子どもの脳にどう働きかける?
AMRIを使った研究では、絵本の読み聞かせを聞いている子どもの脳は「大脳辺縁系(感情を司る部位)」が活性化することがわかっています。絵本は子どもの「心の脳」を豊かにし、感情表現やその先にある「テーマのある人生」につながる土台を育てます。
出典:58号Q「甘え」はポジティブなものと考えていい?
A「甘え」は本来ポジティブなエネルギー補給の手段です。エリクソンの発達理論にある乳児期の「基本的信頼感」を土台に、上手に甘えられる子どもは、いずれ「根拠のない自信」という崩れにくい自信を持てるようになります。当園の0〜2歳クラスでは担当制を敷き、安定した関係の中で甘えを受け止めています。
出典:59号Q「待つこと」にはどんな教育的な意味がある?
A不登校の子どもの家庭を粘り強く訪ね続けた教師の記録によれば、「待つこと」は単なる手段ではなく、子どもに寄り添う行為そのものに意味があります。当園でも「指示ではなく問いかけ」を重視し、子どもが自分の頭で考える時間と空間を大切にしています。
出典:60号Qトイレトレーニングはどう進めればいい?
A大切なのは「おむつ替えの成果」を焦らないことです。「おしっこ出たね」「気持ちいいね」という言葉かけの積み重ねが、赤ちゃんの中に親への信頼と、自分の感覚への気づきを育てます。子ども自身が「自分でやりたい」と思える能動性を尊重し、無理に急がせないことが結果的に近道になります。
出典:68号Q「情緒の安定と集中力」を育むために大切なことは?
A子どもの脳は、感情のセンサーである扁桃体が敏感な一方、ブレーキ役の前頭前野が未発達です。当園が給食の甘味に「みりん蜜」を使うなど食育に力を入れているのも、情緒を安定させ、将来の学びに向かう集中力の土台をつくるためです。
出典:98号