このページでは、私たちの園における「教育のこわだり」についてまとめます。内容としては、夏見台幼稚園入園説明会(2007.6.23と7.7に開催)でお話したものの再現です。説明会にご参加いただけなかった方もこちらを読めばご理解できるよう配慮いたしました。      夏見台幼稚園&保育園、園主 鳥居徹也

 遊びの教育効果
 ビデオ:手先を器用にする遊び 
 
ビデオ:2歳クラスでの手先遊びの実際
 ビデオ:「叩く」ということ(ハンマー遊び) 
 
おまけビデオ:幼稚園のお部屋の工夫 
 
  ■ ビデオ:手先を器用にする遊び

手の働きと脳の発達は密接に関連していることは前に書きました。おはしを持つ、ペンで字を書くといった動作は、大脳の 「運動野」 の制限を受けます。運動野が完全に発達するのは、 「5歳」 くらいといわれています。「早くおはしをきちんと持たせたい」「早く字が書けるようになってほしい」と願っても、肝心の身体的発達が伴わなければ難しいのです。

ではどうしたらいいのか?

発達の原則は 「大きな筋肉から小さな筋肉」 を動かすようになる、ということです。まず、ひじを中心とした動き。続いて手首の返し。最後に手先の器用さ、となります。この流れに沿って適切な遊び、適切な経験を提供することが大切です。発達を飛ばして急かせると、かえって逆効果になりかねません。
次のビデオをご覧下さい。


ビデオ1『ひじを中心とした動き』(約1分)
 
ビデオ2『急かせると…』(約2分)
 

子どもの発達段階に合わせた指導をせず、「早く、早く!」と急かせると、変な癖がついてしまったり意欲が減退したりします。子どもは好奇心が旺盛なのでなんでもチャレンジしてみたい。しかし、できない。できないとやる気が失せる。消極的になる…といったマイナスのサイクルが動き出します。 適切な時期に、適切な指導が大切であり それは 段階を踏まえた遊び により、自然に誘導できるものです。


ビデオ3『遊びの実際』(約40秒)
 
ビデオ4『急かせると…』(約1分)
 

手先の器用さは大変重要です。働かず、学校に行かず、職業訓練も受けていない「ニート」の問題がクローズアップされていますが、厚生労働省が6月に発表した『ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書』によると、ニート経験者の共通項として「人間関係が苦手」「手先が不器用」「計算や字を書くことが苦手」といったものが上げられて
います。 (※障害の問題もあるのでこの結果が全てではありませんが)

勉強ができるだけでは十分ではありません。手先がよく動くことは、働いていく上でも重要な能力です。そしてその手先の訓練に適しているのが、まさに「遊び」です。繰り返し繰り返し、楽しみながら、好奇心を持ちながら、子どもたちは 飽きることなく遊びに没頭 します。そうやって知らないうちに指先の機能が開発されていくのです。


  ■ ビデオ:2歳クラスでの手先遊びの実際


ビデオ5『指先を使う遊び』(約2分)
 
ビデオ6『遊びはリハーサル』(約4分)
 

敢えて「子どもの仕事とは何か?」と問えば、それは生活そのものといえましょう。服を着る、靴を脱ぐ、ごはんを食べる…。例えば服を着るときに、なかなかボタンが入らない。できない。しかしビデオでご覧いただいたような遊びをたっぷりやっていると、自然に、無理なく服を着ることができるようになります。遊びというリハーサルの中で、子どもは成功体験を積むわけです。


ビデオ7『パズル』(約1.5分)
 
ビデオ8『認識遊び』(約3分)
 

左のパズルのビデオでは、指先の動きだけでなく、目でしっかり確認するという訓練にもなっているということことがわかります。また偶然パズルがはまったときの嬉しそうな顔も印象的です。
右のビデオでは、3歳までにどんな遊びをしておくといいのかについて触れられています。2歳くらいから「きちんと収まる」「フタがきちっとしまる」というそんな秩序が気持ちいい、と感じ始めます。そのときに適したおもちゃを与えると、子どもは喜んでくり返します。知らず知らず、「量」や「数」についても、遊びを通して体験的に学んでいくのです。


辺りかまわず子どもがモノを投げ散らかす。確かにただむしゃくしゃしてやっている場合もあるでしょうが、子どもなりに分量や加減を学んでいたりします。「いけません!」と制することも必要ですが、 発達に合わせたな適当なおもちゃを与えて 何度も何度も体験させたいものです。

夏見台幼稚園にはドイツやスイス、スウェーデンなどヨーロッパ製の玩具・遊具が多いのですが、先生の手による、廃品を活用したおもちゃも有効に活用されています。100円ショップで素材を探すことも多いといいます。工夫ひとつで、教育効果の高いおもちゃができるのです。
ビデオ9『目と手の協応』(約1分)
 


  ■ ビデオ:「叩く」ということ(ハンマー遊び)

ビデオ10『叩くということ』(約5.5分)
 

「叩くこと」の教育効果について。叩くことは、往々にして注意され止められてしまいます。確かに危険なこともあります。しかし叩きながら子どもは学びます。このビデオでは、発達段階に合わせた玩具で、手先の開発が促される様子がわかります。


これは1歳くらいから使う玩具です。ハンマーを使わず手で押し込めば、玉が下に落ちるようになっています。その際、いったん玉が視界から消え現れる。その体験を下に、再びくり返すと「あ、やっぱりでてきた!」となります。 その満足感で子どもは再びくり返します。 満足感・達成感がつぎへのやる気を生み出す。これが 「遊びが作り出す意欲のサイクル」 といえましょう。

2歳くらいになると、ハンマーを扱って玉を叩くことを始めますが、その際、ひじ・手首・指先の動きを使います。狙う標的を目で捉えて正確に叩く。

ただし正確に標的を叩くには、 ハンマーを持つ位置 が大切になります。写真右のように、取っ手の上方を持てば狙いは正確になります。しかし遠心力の関係で、力は出ない。写真のようなおもちゃであれば難なく打ち込めても、


図のようなおもちゃ(3歳くらいから扱う)ではうまくいきません。標的も小さくなるため、狙いと力加減のバランスが重要になります。次第に子どもは、取っ手の下のほうを持つ(持てる)ようになり、力強く叩くことができるようになります。 「発達しているからこそ」 だんだん、取っ手の下方がもてるようになるということです。 「取っ手の握り位置によってその子どもの発達が
わかる」 のです。
また写真はコルクの土台に小さな釘で(穴の開いた)木の破片を打ち付ける遊びです。おもちゃのハンマーで行います。釘を飲み込んでしまうと危険なので、大人が十分安全確認を行わねばなりません。コルクなので取り外しも簡単。何度でも試せます。かなり指先が発達していないとできません。
以上のように、発達段階に合わせた叩く玩具で指先の器用さ
訓練していきます。


  ■ おまけビデオ:幼稚園のお部屋の工夫


ビデオ11『屋根について』(約1分)
 
ビデオ12『動線について』(約1.5分)
 

「教室は生活の再現」という思想。あるいは 遊びに集中できる 空間の確保(動線を意識した設計)についてのビデオです。どうぞご覧下さい。