船橋市の幼稚園 夏見台幼稚園・保育園(船橋市)
2015.3.14「卒園式 園主あいさつ」

あいさつはなかなかの盛り上がりを見せておりますが…

あらゆるスピーチの中で最も緊張し、気合いが入るのが卒園式のあいさつです。園を巣立っていく子どもたちおよび保護者のみなさまに向けて何を語るのか?5分間の中で何ができるのか?私はつねに考え続けていました。そして以下の内容に辿りつきました。テーマは「名前」です。

自分の名前を大切にしてほしい。自分の名前を好きでいてほしい。これが、私が伝えたいことです。子どもたちに向けた話の後に、保護者向けに以下の内容を話したのですが…。その全文を記載いたします。





神話学者のジョセフ・キャンベルの話をヒントに、ジョージ・ルーカスはあの「スター・ウォーズ」を作りました。キャンベルは世界中の神話を研究した学者です。アメリカン・インディアンの神話、北欧ケルトの神話、もちろん、日本の神話…そうした世界中の神話の中に、くり返し現れる共通のモチーフがあると、キャンベルは言います。たとえばこんなものです。

「男の子が母親の元を離れ父親を探しに行く。父親は子どもに本当の名前を教える。その名前とともに子どもは母親の元に戻る」。

この「名前」のところが、あるいはフォースになり、あるいは魔法になり、お宝になる…私たちは同じストーリーのさまざまなバリエーションを見ているのだとキャンベルは言います。私はこれは、人生の象徴ではないかと思うのです。

みなさんがお子さんに与えた世界でたった1つの名前。そこにはさまざまな思いが込められていると思います。その、「外」から与えられた名前に、自分の「内」から意味づけするのは子どもたち自身です。それがアイデンティティの確立であり、自己肯定感の問題です。

では学校へ行くとどうでしょう?名前は数字に置き換えられます。出席番号になります。成績になります。偏差値になります。数字は並び替えが可能です。比較が可能です。子どもたちの自己肯定感は揺らぎ始めます。そのときこそ、です!どうかみなさんは強い信念をお持ちいただきたいと思います。あの、ライオンキングのストーリーのように。

「シンバ、自分を思い出せ!Remember who you are.自分の名前を思い出せ!」

子どもたち一人ひとりが自分の名前を好きになり、自分の名前を誇りにすることができる。それが夏見台幼稚園・保育園、園主としての私の願いです。


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